
執筆論文の紹介
今までに執筆した査読付き論文の紹介をさせていただきます。
すべて「Oska Writing」の開発に至る学術的な裏付けになります。
J-STAGEにリンクしていますので、ご自由にダウンロードできます。
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K-ABCアセスメント研究
(第28巻,31-41)
同時処理が有意に高い漢字の読み書きが困難な中学生への学習支援の効果 〜大学相談室における個別支援を通した変化と今後の課題〜
本研究は,漢字の読み書きに困難を示す中学1年生女子1名を対象に,KABC-Ⅱによる認知特性の把握と,それに基づく漢字の学習支援経過に関する事例研究である。KABC-Ⅱの結果から,認知総合尺度は平均範囲であった一方,習得総合尺度は有意に低く,特に読み尺度,書き尺度,算数尺度の低下が認められた。また同時尺度および語彙尺度(結晶性能力尺度)が相対的に高いという特性が示された。これらを踏まえ,同時処理方略の中でも視覚的・運動的手がかり,関連性の重視を活用した漢字の読み書き指導を実施した。その結果,漢字(熟語)の読み成績は学習した漢字だけでなく,標準化検査においても改善が認められ,日常への般化が確認された。書字成績については,学習した漢字における学習効果が確認された。
LD研究
(第35巻3号,242-255)
漢字書字の習得が困難な学習障害児に対するアプリ教材の効果
従来の視写による漢字の書字学習に必要なすべての工程を補った体性感覚法(大西・熊谷,2019)を基に,アプリ「Oska Writing(以下,OW)」を開発した。OWは,なぞり学習ができ,漢字を1 〜 3画ずつ段階づけて学べ,アプリ上のボタンで漢字の画の提示方法を使用者の認知特性(継次処理・同時処
理)に合わせて選択でき,空書を使用した学習ができる仕様にした。またiPadを使用することで,肘・肩
関節の粗大な書字運動で学習できるようにした。今回,漢字書字の習得に困難がある学習障害児2症例に
対し,従来の視写による学習法(視写法)とiPad上でOW(継次式),OW(同時式)を使用した3通りの
学習法を単一事例研究法(ABAデザイン,多層ベースラインデザイン)で比較したところ,OWを使用し,また各症例の認知特性に合った学習法である場合に有効である可能性が示唆された。
Asian Journal of Occupational Therapy
(Vol 18 Issue ,87-93)
Factors Related to the Visual Information Processing of Children with Learning Disabilities Who Have Difficulty Acquiring Kanji Writing :Features Revealed by the Rey-Osterrieth Complex Figure Test
漢字書字の習得が困難な学習障害児68名の視覚情報処理の要因について,Reyの複雑図形検査を正確性尺度と描画方略尺度から評価した。結果,漢字書字の習得が困難な学習障害児は,図形の構成要素のまとまりが捉えられず,想起が困難になると示唆された。また,ADHD,ASDの合併の有無で評価結果を比較したところ,ADHDとASDを合併している児童ほど,図形の構成要素のまとまりが捉えにくいことが示唆された。
